91年世界陸上男子100m決勝

カール・ルイス            9秒86 (+1.2)
リロイ・バレル             9秒88
デニス・ミッチェル          9秒91
リンフォード・クリスティー      9秒92
フランク・フレデリクス         9秒95
レイモンド・スチュワート       9秒96
R・ダ・シルバ            10秒12
ブルーニー・スリン          10秒14

東京で行われたため多くの日本人がこのレースを見たことだろう。世界新記録樹立の歴史的瞬間は当時大きな話題となった。スーパースター、カール・ルイスが見事な勝利を収めた。9秒台で6人がゴールするというハイレベルなレースだったことでも有名だ。

レースは、ミッチェルとスチュワートが飛び出した。バレルもまずまずのスタートをみせた。それにクリスティー、フレデリクスあたりが続き、その後ろにカール・ルイスという形で進んでいく。下位の2選手は前半から上位争いに一度も絡むことなく終わってしまった。

序盤から中盤にかけては、ミッチェル、スチュワート、バレルの3人が先頭を引っ張った。

50m地点でルイスは6番手、先頭から0.07秒の差だ。

60m地点で先頭争いにクリスティーが加わり、フレデリクスがやや遅れてルイスの後方に下がった。

80m地点でついにルイスが先頭集団に追いついた。ここまでがんばっていたスチュワートは60m以降じわじわと失速し、この時点で先頭集団から脱落した。

90m地点、とうとうルイスが先頭に立つ。この時点で、ルイス9秒00、バレル9秒01、ミッチェル9秒02。

そしてゴール、ルイスは最後の10m区間でもバレルを0.01秒離した。


このレースで目立ったのはルイスの40m以降の強さだった。40~100mまでの各10m区間タイムは全選手中トップであった。先頭と最大0.09秒あった差を中盤以降の卓越したスプリント能力で逆転した形だ。

レース後半に前の選手にみるみる追いついていくルイスのイメージを鮮明に覚えている人も多いことだろう。
(データは「世界一流競技者の技術」を参照)

時代が前後してしまうが、93年大会でのルイスは、30m地点でこの時より0.07秒、60m地点では0.13秒も遅れている。

同レースを走ったクリスティー、ミッチェル、フレデリクスがこの時より0.02~3秒の遅れにとどまっていることから、条件面を考慮しても、93年大会でのルイスはスタートの出遅れと中間の加速という二重の失敗をしてしまったことは明らかだろう。

典型的な後半型のルイス、万能型のバレル、前半型のミッチェルが上位に顔をそろえる(ちなみにアメリカのメダル独占)という特徴的なレースでもあった。
[PR]
by taji-kistan | 2006-11-05 11:53 | かけっこ【2007更新停止】
<< 1987年世界陸上男子100m決勝 93年世界陸上男子100m決勝 >>